Asbestosアスベストについて
About 石綿(アスベスト)とは
健康被害が社会的大問題になっている「石綿(いしわた・せきめん)・アスベスト」。鉱物から造られた繊維状の燃えない物質です。現在では潜伏期間の長い非常に悪質な発がん性物質だということが判明し、製造、輸入、販売、使用が全面的に禁止されました。しかしながらその汎用性の高さから、近年までは当たり前のように防火、耐火材や圧縮物のつなぎ材として重宝され一般住宅や、ビル、商業施設、プラント設備等、様々な建築物、建材に多く使用されておりました。現在は改築の際でもアスベストは使用されていませんが、当時に建てられたアスベスト含有建材を使用した建築物はまだまだ現役で、危険ではありますがその多さゆえ、直ちに「使用禁止」「改善命令」とはできずにいるのが現状であります。
Risk アスベストの危険性
石綿は、採掘、製品の製造や加工、さらには除去と廃棄等の過程で、髪の毛の5000分の一、花粉の1500分の一、繊維直径0.02μmという肉眼では確認できないほど微細な針状の粉塵を発生させます。石綿の粉塵を呼吸によって吸い込むこと(暴露)により呼吸器系他に肺がん等の深刻な疾患を発生させます。石綿が原因とされる代表的な疾患は石綿肺、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚、中皮腫(がん疾患)、石綿性肺がんがあり、吸入して10~十数年経過後に発症する為、静かな時限爆弾とも呼ばれています。
日本における中皮腫の死亡者数は人口動態統計によりますと、集計を開始した平成7年に500人、翌年の平成8年1050人と初めて1000人を超え、平成27年には1500人を超えるなど、統計開始以来中長期的に増加傾向で推移しているのが現状です。
アスベスト・レベル1 最も危険である発塵性が高い石綿
鉄骨の耐火を目的に吹き付け露出施工され、経年で劣化し、ショックを与えると簡単に落下するような石綿(アスベスト)耐火建材。私たちの生活する街中では主に立体駐車場や、商業施設の耐火エリア、高温の火を扱う工場の鉄骨や壁屋根に耐火目的に使用されています。
アスベスト・レベル2 経年劣化や摩耗により発塵する石綿
様々なものと混ぜ合わされ、セメントのように塗り固められたり、ボード状に加工されされた耐火耐熱保温材。工場では超高温になるタービンの本体や配管、街ではボイラー室などの耐火エリアに施工されています。
アスベスト・レベル3 比較的発塵性が低いが私たちの直近にある石綿
一般住宅にも多くの石綿含有建材が使われてきました。代表的なものは住宅屋根用化粧スレート瓦。倉庫等の屋根壁に使用されているスレート波板。サイディング壁や天井の吸音板、セメント瓦にも混ぜられて使用されておりました。
経年劣化や摩耗で発塵することが考えられます。
また、建物改修や取り壊し時に適切な対策を取らないと、重機で粉砕され発塵し飛散してしまいます。